古民家をおしゃれにリノベーションすると、住宅としてはもちろん、カフェ・ギャラリー・民泊にも最適な場所として活用できます。「築年数が古い」と聞くと一見ネガティブに感じられるかもしれませんが、古き良き日本家屋ならではの味わいや、どこかほっと落ち着けるようなレトロな佇まいは古民家にしかないものとして人気を集めてきました。
本記事では、古民家をおしゃれにリノベーションする方法を解説します。古民家ならではの良さを活かした画期的なリフォームにしたいときにご参考ください。
目次
古民家リノベーションとは
古民家リノベーションとは、古い日本の伝統的な住宅(古民家)を改修・再生し、現代の生活スタイルに合わせた快適で機能的な空間にしていくリノベーション手法です。
「古民家をリノベーションすること」とシンプルに考えることもできますが、古民家リノベーションでは単に古い建物を新しくするだけでなく、文化・歴史・古民家ならではの雰囲気や佇まいを上手に活用したリノベーションが求められます。例えば、木造の梁・柱・障子・畳など、古民家特有の伝統的な雰囲気を活かすことが多く、生活のしやすさだけにとらわれないリノベーション手法としても確立しています。
古民家リノベーションの方法
ここでは、古民家リノベーションの方法を解説します。一口に古民家リノベーションと言っても、さまざまな種類があるので検討してみましょう。
一般的なリノベーション
一般的なリノベーションとは、大きな解体作業をせず、内装・水回りなど家の中と外装を中心としたリフォームに特化する手法です。比較的古民家の程度・状態が良い場合に用いられやすく、ピンポイントでのリノベーションやリフォームをしたいときにおすすめです。
半解体再生リノベーション
半解体リノベーションとは、古い建物を完全に取り壊すのではなく、一部を解体しながらリノベーションする手法です。骨組みの状態まで解体できるので、基礎や柱などを部分的に補強できるのが強みです。多くの古民家リノベーションで採用されている手法であり、部屋のレイアウト変更など本格的なリフォームが可能です。
全解体再生リノベーション(建て替え)
全解体リノベーションとは、建物の骨組みも完全に取り壊して抜本的なリノベーションをする手法で、いわゆる建て替えです。骨組みの劣化が進んでいる建物や、耐震上問題がある建物を全解体再生リノベーションの目安としており、使える木材などは再利用することも可能です。新築のような綺麗さでありながら「古民家風」のデザインにすることもでき、土地の条件や周辺環境に応じて柔軟なリノベーションができます。
移築再生リノベーション
移築再生リノベーションとは、古い建物を丸ごと別の場所に移動させてリノベーションする手法です。歴史的・文化的価値の高い建物に対して実施されることが多く、都心部からのアクセスの悪さなど立地的な問題を解消するのに向いています。その他、その地域ならではの課題や地盤の問題が発覚したときにも、古民家を解体することなくリノベーションできます。
古民家リノベーションの流れ
古民家リノベーションは、主に以下の流れで実施します。
- リノベーション業者の選定
- 耐震強度・構造・シロアリの有無などの事前調査
- デザインやコンセプトのプランニング
- 工事開始
- 完成
- アフターケア(メンテナンス)
リノベーションだけでなくトータルデザインも依頼する場合、完成の前にインテリアの配置まで済ませることが多いです。古民家リノベーションにおいて最も重要視されるのは「3.デザインやコンセプトのプランニング」であり、古民家の特性を活かしながら現代的な要素を取り入れるデザインを決める必要があります。古民家の特有の間取りや動線を考慮し、快適な生活空間を作るためプロのリノベーション業者に相談していきましょう。
古民家リノベーションで後悔しない物件の選び方
これからリノベーションする古民家を選ぶときは、後悔しないよう以下の点を選定基準にしてみましょう。
- 立地で選ぶ
- 保存状態で選ぶ
- 周辺環境で選ぶ
- 費用(相場)で選ぶ
- リノベーション後の完成形をイメージして選ぶ
条件面として、「立地」「保存状態」「周辺環境」「費用(相場)」に関する情報収集は欠かせません。家や店舗として使いやすい場所なのか、周辺環境が良くアクセスしやすいか、などシミュレーションしておきましょう。条件のよい古民家であればリノベーションの内容も広がりやすくなる他、リノベーションが終わって活用するとなった段階でも利便性が上がります。自宅活用であれば暮らしやすく、店舗活用であれば顧客を呼びやすくなります。
また、古民家の面積や既存の間取りを参考に、リノベーション後のデザインをイメージしとくのも大切です。リノベーションで理想が叶いそうな物件から優先的にピックアップしていけば、後悔することもありません。「アンティークなリノベーションができそうか」「憧れだった土間を作れるか」を視野に入れて選定しましょう。
古民家リノベーションおしゃれな事例紹介
最後に、古民家のおしゃれで素敵なリノベーションに成功した実例・事例を紹介します。古民家リノベーションの可能性を知れる他、イメージに近いデザインを探すこともできるのでご参考ください。
古民家再生 スタイリッシュなアメリカンスタイルの家
https://www.ing-reform.jp/renovation/24000.html
before
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after
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- 工期:6ヶ月
- リノベーション内容:屋根、外壁、玄関階段、LDK、お風呂、トイレ、寝室、子供部屋
リノベーションの際は「暖かく」「安全」を意識し、家族のコミュニケーションも捗るようなデザインになるよう工夫しました。スタイリッシュなアメリカンスタイルの家具・建具を使って理想的な住まいにしていますが、天井部分の梁を残し、「和風」の魅力を引き継ぐ雰囲気となっています。アメリカンスタイルなのにどこか昔の時代を感じることができ、落ち着けるスペースとして生まれ変わりました。
贅沢な大人空間で楽しいセカンドライフを
https://www.ing-reform.jp/renovation/21886.html
before
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after
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- 工期:4ヶ月
- リノベーション内容:和室、キッチン、リビング、広縁、お風呂、洗面脱衣室、トイレ、階段
生活動線や断熱を意識して「生活しやすさ」を上げるイノベーションになっていることと、リフォーム前の家も大切したい思いを組んで木を中心としたモダンなデザインにしていることがメリットです。生活しやすさの点では、床・壁・天井へ断熱材を敷き詰めたり断熱窓を使ったりして、家全体の暖かさを整えました。明るい無垢の床材と既存の梁の色で色のアクセントをつけるなど、既存の雰囲気も大切にする施工として完成しています。
また、システムキッチンを新設するなど、使いやすい機能を充実させました。古民家でもリノベーション次第ではまだまだ長く使える家になるので、昔ならではの良さと現代の設備を融合させながらデザインしていきましょう。
まとめ
古民家リノベーションは、古民家ならではの雰囲気や思い入れを大切にしながら、断熱・生活動線・暮らしやすい間取りになるよう家を作り変える手法です。おしゃれな雰囲気にまとめれば新たな愛着もわきやすく、長く共に過ごせるような家になるでしょう。
家が古くなった時は、全面的な建て替えや取り壊しだけでなくリフォームを視野に入れてみるのがポイントです。